2022年4月 大阪(前編)

更新頻度がゴミカスだ。ちゃんとしたい。もうそろそろ2023年の話をしたい。

しかしそれは、途中まで書いてしまっていたこの旅の記録を完成させた後とする。。。。

 

那須塩原世界旅行から二ヶ月後。

かねてより私はとある仏像を拝みたく悶々と、いやムラムラとしていた。

大阪は河内長野市観心寺本尊如意輪観音像だ。

 

観心寺・公式ホームページ

 

仏像に腕はあればあるほど良い。だが個人的には、千手観音より妙にリアリティのあるこれくらいの多肢感が最高に刺さる。いつ見ても「思うてる倍美しい」と思う。

これがなんと毎年4月の17.18日に御開帳されると言う。そんなん行くっきゃない。

そして大阪と言えば、他にも行きたい場所がある……。気づけば航空券が手にあった。

 

かっとビングだぜ、俺。

新幹線もいいが、私は結構空の便が好きだ。チェックインなどで出発までの助走は長いが、長い分これから旅立つんだという実感をじっくりはっきり味わえる。空港という飛行機に乗るためにある建設物特有の無機質な雰囲気と、人の往来と旅という有機的な要素が不思議と絡み合ってワクワク感がものすごい。

ワッと飛び出すとあっという間に関西国際空港に着陸した。これから出発であろうおばちゃんたちからもうすでにコテコテ関西弁が聞こえてくる。方言は異国の地に足を踏み入れたことを教えてくれる。キタデー!オオサカー!

観心寺に向かうのは明日だ。とりあえず本日の目的地に向かうためモノレールに乗り込む。

土日なので人が多い。ガッキー&翼たちも泣きじゃくったり奇声をあげたり、各々の休日を謳歌している。そんな輩を横目に大人気なく一番車窓の楽しめる最前に座る。なぜなら私の方が車窓を楽しめる自信があるから。

しばらくして、目的の万博記念公園に到着した。数年前にも来た時は大曇天少し雨、という模様でこうもかっ晴れな背景の太陽の塔は初めて見た。

2019年大曇天太陽の塔

広場でフリマも行われていた。超気になるが、私にはこれから想定所要時間数年のRTAが待っている。こんなところで鈍足を発動している場合ではない。

クソデカ公園の一番奥にある目的地。焦らさないでくれよもう辛抱ならねえんだ、やっとお前を手に入れることができるんだ。

念願叶ってやっと辿り着いたのは

国立民族学博物館!!!!

みんなーっ!!国立民族学博物館だーっ!!!これが国立民族学博物館だぞーーー!!!!おーーーーーい!!!!!!!!誰もいんのかーーーーい!!!!!!!

みんなどこ行っちまったんだよ。ここに来ないでどこ行くんだよ。あんなに大量だったガッキーどもはみんなフリマに吸い込まれちまったんか?念願施設初来訪興奮挙動不審孤独人間は警備員さんの視線を独り占めしてしまっている。

この時の企画展がモンゴルの特集だったのだが、この旅前にたまたま東京・巣鴨でシリンゴルというモンゴル料理店に行った。この招待券はその時飾ってあったこの企画展のポスターを見て、今度行きます〜と発したら店主さんは遠くて行けないからといただけたのだ。嬉しくてキスするところだった。前記事と連続でモンゴルの話をしているが、日本はなかなかモンゴル体験のできる機会の多い国だと思う。

このチケットで公園自体も無賃入場できることを知らずに金銭を渡してしまったことは言わないでください。(ややこいねん、バーカ!!!!!!!!!!)

シリンゴルで食べた羊の脳みそ。テュルテュル。最高。

 

どぎまぎしながらいざ、試合開始。とりあえず企画展へ。

うわ〜〜〜〜〜〜〜〜!!

ぐわぁ〜〜〜!!

写真じゃ全く伝わらないが情報量で殴られ続け、全く見終わらない。開館凸だったのにあっという間に昼になった。すでにRTAは破綻している。そりゃそうだ、おれたちゃ鈍足観光委員会だ。

一人旅特有のものとして、昼飯どきになってもそんなことをしている場合でないので腹の虫を無視する(ドッ)というものがある。グーと鳴いているが、この日ももちろんガン無視だ。なぜなら私にはまだ常設展見学がある。

常設展示は地域ごとに分かれた展示がされている。オセアニアからはじまり、アメリカ、ヨーロッパ、アジアを西から東に渡り、最後に日本の展示となる。

もともとこの大阪に来たわけは大仏の御開帳であるからして、全世界に興味がありながらも特にアジア、そして日本文化に対してはルンルンになってしまう。しかし私はこのような展示に限らず読書などにおいて、飛ばし飛ばしで読むとか興味あるところから見るとか、そういった柔軟な行動ができない。いや、できるだけやりたくないのだ。厄介な習性だと思う。辞めたい。

まあ、行けっしょ。(いつもの)という具合にオセアニア展示から入室。結論から言うと、完全に敗北します。

 

常設展示のボディーブロー

一歩踏み入れての興奮は企画展をはるかに上回った。鮮やかな資料類が黒を基調とした柱や天井と相まって存在感を放って、ライトの光を受けて輝いている。作者不明の生活用品や民俗資料は時に絵画や彫刻よりも呪力を秘めているように思えた。

 

アメリカ展示(メキシコ)

カレンダー展示

合間にちょこちょこ、各国比較のようなコラムがあってそれもまたいい。

カレンダーも展示資料になると言う発見

ヨーロッパ展示(ルーマニア

礼文化面白すぎるので現地行きたい

死んだらこれに入りたい


音楽展示

各国のチャルメラ

当時音大でアジア音楽史を単位互換履修してたのでアゲになったコーナー

このへんで自分が餓死寸前なことに気がつく。15時前。併設レストランでオムライスをかきこみ、あと2時間で閉館の事実に白目剥いた。なぜならまだ半分も観られていない。

鈍足観光委員会会長の身としては誇れる功績だ。気を取り直して頑張ろうと思った。

矢先、初手、言語展示なるものがあった。

全体の展示写真は撮らなかったが、世界中の言語についての展示だ。日本の方言も扱われている。日本中の方言で桃太郎が音声資料で聞ける。さまざまな言語に翻訳出版された星の王子さまが読める。

もう無理だ、2時間でここから全てなんて、このブースだけで、面白すぎる。

一旦鈍足観光委員会の脱退を決意した。とりあえずここからは全ての資料を視界に入れることを目標にしよう。

しかしここからアジア展示だ。

っぱ北アジア可愛すぎる。ヂュッ

この風習好き

アイヌ展示まで来て閉館のアナウンスが鳴り響いた。もう十分頑張った。もう来る前からすでに再訪は確定していたのだから。残り10分程、日本展示を攫って帰ろう……。

そう軽い気持ちで足を踏み入れた日本展示だったのだが・・・。

!?

!?!?!?!?

ギエピ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!

だよほんとにもう。“情報量で殴る”のお手本で殴られた。殴られていることにいちいち感情を発生させる暇もない。日本展だけで1日要る。

同じ形、モチーフ、目的や物語、なんにしても、とある共通点の元にあらゆる場所から一つの部屋に資料が集まり、所狭しとずらり並べられている。陳列の美しさの相まって、その光景にもうとてつもなく興奮する。祭りに関する資料が多いからだろうか、ドーパミンの出方がハレのソレになっていた。一度でいいから見てみてほしい。これは博物館特有の興奮材料だ。博物館のそういうところが私は大好きなのだ。

かねてより民俗学に興味を持ち、コロナ禍で海外旅行できない鬱憤を国内旅行に捧げ始めていた私は、絶賛日本に興味津々であった。つまり、普通に考えて日本展示から行くべきでした。

目についた祭り名と地域をメモし、できる限り早足で展示室を抜けた。つまり敗北。そして閉館ギリギリの館内で、去り際衝撃的に心惹かれるポスターを見てしまう。

こここここ高知!?

やっとの思いで大阪まで来て、今度は高知、だがこれは行くしかないと、心が叫びたがっているんだ。

二ヶ月後、無事高知に上陸できた。とてもとても良い経験をしたが、それはまた別のお話・・・。

 

梅田に帰ろう

梅田に帰ろう。なぜなら今晩の宿と、楽しみにしていたとある飯がある。脳みそはいっぱいだがお腹は空いた。1時間弱電車に揺られながら、徐々に都心(府心?)に出ていく。同情しているサラリーマンや身だしなみに気配った若者、学生。電車の混み具合や地下鉄の地域差の薄さで、東京と似ていると感じるが、私は旅行者で、この人たちは大阪で似て非なる日常を過ごしているんだと思うと不審者レベルで辺りを見回してしまう。

宿は梅田だが、ご飯のためになんばで下車。そしてこちらも念願の「やきやき鉄板 ぼんくら屋 千日前店」に辿り着いた。

やきやき鉄板 ぼんくら家 千日前店 (やきやきてっぱんぼんくらや) - 近鉄日本橋/お好み焼き/ネット予約可 | 食べログ

千日前店でなくてはいけない理由がある。そこには「テニプリシート」なる席があるからだ。

テニプリシート」はつまり、「大人気超絶面白激アツ漫画『テニスの王子様』の関係者各位及びファン専用シート(要予約)」ということである。

なんでそんな席がと思うかもしれないが、正直私もそう思う。原作者の許斐剛がこの店がオキニらしい。先生のサインがあるなら行こう、あるいは先生に誘われてと関係者の来店が増えに増えサインも増えに増えてこうなったんじゃないか?まさに鶴の一声神の一手、店主さんのご好意も相まってこうやって謎文化が生まれる、はあ面白いな〜人間。

とにかくわたしはそこで大阪で勤務しているインターネット友人(奇しくも高知県民)と待ち合わせ、オタクになっちゃおうというわけ。

席につくやいなやフルスロットルだ。アニメ版の声優やミュージカル版の俳優まで、というか普通に考えて一つの作品にこれ以上の人間が関わってんのパネエ。

メニューもしっかりちなんだものがあり、通年常設コラボカフェというわけだ。友人は推しキャラをお好み焼き臭で炙っていた。

来訪記念ノート文化は大好きなので、こちらもちゃんと卍参上卍する。好きなキャラクター、芥川慈郎さんと向日岳人さんを描かせていただいた。上にある可愛い遠山金太郎さんのイラストは前日に来た知らない人のもの。過去ログを漁るのもオツだ。古今東西の来訪記念ノート全てに軌跡を残していきたい。

お好み焼き美味しかったです。また機会あったら行って、ノートを更新したい。非公式コラボメニューまだあったし、巨乳焼きなるデカおっぱいを模したセンシティブキュートなお好み焼きもあるらしい。

夜もふけ、友人とお別れし、今日の宿へ向かう。今更ながら今回は一人旅、すべてを自分が行きたいところで構成する、超利己的プランとなっている。言うても友人との旅行でも利己的ではあるが・・・・。

そのため今夜の宿はこちら。ずっと気になっていたサウナ&スパ、大東洋さまだ。

大東洋グループスパ

到着早々浴室にカチこむ。浴槽だけで数種類、もう楽しい。

だが大事なのはサウナ、近場の扉には「ファンタジーサウナ」とある。なに?

入ってみるとあまりの広さにどこに座ったらいいか全くわからなくなった。頭ファンタジーの人が考えた最強のサウナってこと?

室内にはいろんな色に光る丸い玉が一つ、控えめに置かれている。こいつ一人にファンタジーを背負わせるのはちょっと重荷かも・・・。

サ室もすばらしいが、休憩に使うための無限椅子⦅インフィニティチェア⦆が良すぎた。はじめ背もたれの倒し方がわからず、半泣きになった。レバーを引くかして、壊さんばかりの力で背もたれに倒れかかるとようやく無重力が訪れた。けど、本当は何かコツがあるのではないか?あんなに首を振りかぶり背もたれを倒すのは正直恥ずかしかった。何かコツがあるなら地域の回覧板とかで教えて欲しい。

無限の中でその日のことを思い返していた。みんぱくにいけたという事実がいきなり心をあったかくさせて、リロクライ。お風呂を上がってビールを飲んだ。

次の日は御開帳大巡り祭りの開催だ。心地の良いカプセルベットで眠った。何気にカプセルも初だったため、テンションは駄々上がりだが、旅特有の(そしてこの日特有の)情報量に殴られた脳みそは、一瞬でシャットダウンした。

 

御開帳については後編でまた書きたいと思う。

が、、、、もうそろそろ最近の旅のことを書きたい。

2023年8月現在、この大阪から、高知、瀬戸内諸島、越中八尾、伊勢、黒部、沼津、遠野、別府、十和田、蔵王、島根に行っている。これを追いかけていたらまた新しく旅をしてしまっていたちごっこだ。旅中毒患者はとにかくこれを諦めた。

気が向いたものから、進めていく。しらんもう!!!!!!!!!

 

お読みいただきありがとうございました。一ヶ月以内に更新なければ、玉取られる覚悟です。(フラグ)